プロ野球は開幕してしまいましたが、12球団終わるまでは2019年のプレーバックを続けます!
今回は2019年セリーグ4位の広島です!
※他チームの2019年成績はこちら(巨人、西武、横浜、ソフトバンク、阪神、楽天、ロッテ、中日、日ハム、ヤクルト、オリックス)
では、参りましょう!!
チーム成績
リーグ4位 交流戦12位
試合 | 勝利 | 敗北 | 引分 | 勝率 |
143 | 70 | 70 | 3 | 0.500 |
リーグ4連覇に挑んだ2019年でしたが、結果はBクラス転落と思ったような戦いができなかった一年となりました。
開幕スタートに失敗しましたが、その後に持ち直し5月末には首位に。
しかし、交流戦で一気に失速してしまい、7月後半には再び5位まで転落。
そこから再び持ち直し、一時2位争い演じていましたが、最終4位でフィニッシュ。
借金と貯金を繰り返し、チグハグな一年となってしましました。
その要因はどこにあったのでしょうか。
チーム成績を見てみましょう。
得点 | 失点 | 打率 | 本塁打 | 盗塁 | 防御率 |
591 | 601 | 0.254 | 140 | 81 | 3.68 |
4位 | 4位 | 3位 | 4位 | 3位 | 2位 |
ざっくりみると、概ね平均的な成績でした。
ただ、優勝した直近三年と大きく変わったのはどこだったのでしょうか。
2016年は全ての項目で1位と他チームを寄せ付けない成績でした。
2017、2018年はどうだったかというと、失点、防御率は3位4位でしたが、得点、盗塁はともに1位、本塁打は2017年が1位2018年が2位。
攻撃力では優勝した3年間は他を圧倒していたといえるでしょう。
V逸の原因は、やはり巨人に移籍した丸の存在と、優勝した3年間活躍した田中広の不振が大きかったのではないでしょうか。
田中広選手は特に盗塁数がリーグ1位1回、同2位2回と走塁面での貢献でも大きかったですからね。
そういう点を考えると、2020年は田中広の復調がカギといえそうです。
主力野手の成績
2019年開幕オーダー
シーズンを占う大事な開幕スタメンはどうだったか見てみましょう。
打順 | 位置 | 名前 | 年齢 | 年数 | 試合 | 打率 | HR | 打点 | 盗塁 | OPS |
1 | 遊 | 田中広 | 30 | 6 | 97 | 0.193 | 3 | 27 | 8 | 0.531 |
2 | 二 | 菊池涼 | 29 | 8 | 138 | 0.261 | 13 | 48 | 14 | 0.719 |
3 | 左 | 西川 | 25 | 4 | 138 | 0.297 | 16 | 64 | 6 | 0.777 |
4 | 右 | 鈴木 | 25 | 7 | 140 | 0.335 | 28 | 87 | 25 | 1.018 |
5 | 一 | 松山 | 34 | 12 | 110 | 0.259 | 6 | 49 | 0 | 0.701 |
6 | 中 | 野間 | 26 | 5 | 123 | 0.248 | 2 | 16 | 14 | 0.648 |
7 | 捕 | 會澤 | 31 | 13 | 126 | 0.277 | 12 | 63 | 2 | 0.826 |
8 | 三 | 安部 | 30 | 12 | 114 | 0.254 | 8 | 28 | 5 | 0.705 |
9 | 投 | 大瀬良 | 28 | 6 |
※OPS=出塁率+長打率
※▲は2019年退団
圧倒的な存在感を示しているのは、やはり4番の鈴木選手でしょう。
リーグ首位打者に加え、HR、打点、盗塁とチーム4冠。
OPSは両リーグ唯一の1.0超えと圧倒的な存在感です。
2020年は高卒8年目の26歳とまだまだ若く、今季も活躍が期待されています。
侍JAPANでは筒香と共に4番候補ですしね。
成長を続ければ、3冠王やトリプルスリーも十分狙える選手ではないでしょうか。
丸選手の代役として外野に転向した西川選手もまずまずの成績でした。
これまでの丸の成績と比較するのは少々酷ではありますが、バットコントロールには定評があり、2020年もさらなる成長が期待されます。
また、チーム成績のところでも触れましたが、田中広選手の打撃不振が深刻でした。
これまで続けていた連続フルイニング出場や連続試合出場も6月に途切れてしまいました。
今季は不振から復活するのか、それとも淡々とレギュラーを狙う若手の台頭があるのか、そのあたりも注目していきたいですね。
その他の主な野手成績
その他の出場試合数が多かった選手を挙げてみます。
位置 | 名前 | 年齢 | 年数 | 試合 | 打率 | HR | 打点 | 盗塁 | OPS |
内 | バティスタ▲ | 28 | 5 | 103 | 0.269 | 26 | 64 | 0 | 0.863 |
外 | 長野 | 35 | 10 | 72 | 0.250 | 5 | 20 | 0 | 0.693 |
捕 | 磯村 | 27 | 9 | 65 | 0.278 | 4 | 21 | 0 | 0.779 |
内外 | 曽根 | 24 | 6 | 64 | 0.200 | 0 | 2 | 5 | 0.510 |
内 | 小園 | 19 | 1 | 58 | 0.213 | 4 | 16 | 1 | 0.565 |
内 | メヒア | 26 | 4 | 56 | 0.259 | 7 | 17 | 0 | 0.732 |
内 | 小窪 | 34 | 12 | 51 | 0.246 | 1 | 5 | 0 | 0.605 |
捕 | 坂倉 | 21 | 3 | 51 | 0.230 | 1 | 7 | 0 | 0.610 |
バティスタ選手は主に一塁での出場でした。
3番を務めることも多く、チームの主軸として活躍していました。
それだけにドーピング違反で契約解除となったのは残念なニュースでしたね。。
また、田中広の穴を埋めるべく、代役に指名されたのがルーキーの小園選手でした。
打撃面は高卒1年目ながらまずまずの成績も残しました。
一方で守備面では課題も多くみられました。
6月22日のオリックス戦で平凡なゴロをエラーし、それをきっかけに3失点したことでチームは敗戦。
この後小園はベンチ裏で涙し、一球一勝の重みを感じたというエピソードもありました。
2020年は守備力を向上させ、高い壁ではありますが田中広からレギュラーを奪う気持ちで頑張ってほしいですね。
主力投手の成績
先発
名前 | 年齢 | 年数 | 試合(先発) | 投球回 | 勝利 | 敗北 | 防御率 | 奪三振率 | K/BB | WHIP |
K.ジョンソン | 35 | 5 | 27(26) | 156 2/3 | 11 | 8 | 2.59 | 7.58 | 2.28 | 1.21 |
床田 | 24 | 3 | 25(23) | 139 2/3 | 7 | 6 | 2.96 | 6.51 | 2.10 | 1.28 |
大瀬良 | 28 | 6 | 26(19) | 173 1/3 | 11 | 9 | 3.53 | 7.06 | 3.89 | 1.22 |
九里 | 28 | 6 | 27(18) | 118 | 8 | 8 | 3.51 | 7.32 | 2.34 | 1.25 |
野村 | 30 | 8 | 18(18) | 95 1/3 | 6 | 5 | 4.06 | 6.14 | 1.91 | 1.36 |
アドゥワ誠 | 21 | 3 | 19(13) | 91 2/3 | 3 | 5 | 4.32 | 5.11 | 1.93 | 1.40 |
※K/BB=奪三振/与四球 投手の制球力を示す指標の一つ。2.0超でまずまず、3.5超でかなり優秀とされる
※WHIP=(与四球+被安打)/投球回 1イニングあたりに出したランナーの数値。
先発の柱としてK.ジョンソン選手(2020年からDJ.ジョンソンが加入した為、K.ジョンソンと表記)、大瀬良選手が一年間しっかりとローテション守りながら、勝ち星も二桁をマークしました。
また、床田選手、九里選手もまずまずの成績だったといえるでしょう。
床田は2018年から登板数を一気に増やしており、今年もさらなる成長を期待したいところです。
一方で野村選手は近年思うような成績が残せておりません。
2016年の最多勝を獲った時のような活躍をもう一度見たいですね。
救援
名前 | 年齢 | 年数 | 試合 | 投球回 | 勝利 | 敗北 | ホールド | HP | セーブ | 防御率 | 奪三振率 | K/BB | WHIP |
フランスア | 26 | 2 | 67 | 71 2/3 | 8 | 6 | 18 | 26 | 12 | 2.76 | 11.80 | 2.94 | 1.21 |
菊池保 | 30 | 12 | 58 | 61 | 1 | 3 | 15 | 16 | 0 | 2.80 | 6.34 | 1.87 | 1.02 |
レグナルト▲ | 31 | 1 | 52 | 59 1/3 | 6 | 3 | 15 | 21 | 0 | 3.34 | 10.16 | 1.97 | 1.47 |
中村恭 | 30 | 9 | 43 | 44 1/3 | 0 | 1 | 12 | 12 | 0 | 2.64 | 11.77 | 3.41 | 1.08 |
中崎 | 27 | 9 | 36 | 35 1/3 | 3 | 3 | 5 | 8 | 9 | 4.08 | 5.86 | 1.35 | 1.73 |
救援陣ではフランソア選手が中継ぎ、ストッパーとして大活躍しましたね。
また、楽天から移籍1年目の菊池保選手も安定感がありました。
楽天時代ではあまり出場機会に恵まれませんでしたが、見事にチャンスをつかみチームの信頼を得たといえるでしょう。
ただ、ここ数年広島救援陣の中心であった中崎選手は、不振のシーズンとなってしまいました。
2020年は調子を戻して守護神の座を射止めるのか、注目していきたいですね。
2020年度新加入選手と2019年の退団選手
新加入選手
ドラフト指名選手
順位 | 氏名 | 経歴 | ポジション | 年齢 | 身長 | 体重 | 投打 |
ドラ1 | 森下 暢仁 | 大分商高-明大 | 投手 | 22 | 180 | 75 | 右右 |
ドラ2 | 宇草 孔基 | 常総学院高-法大 | 外野手 | 22 | 185 | 83 | 右左 |
ドラ3 | 鈴木 寛人 | 霞ケ浦高 | 投手 | 18 | 186 | 79 | 右右 |
ドラ4 | 韮沢 雄也 | 花咲徳栄高 | 内野手 | 18 | 177 | 80 | 右左 |
ドラ5 | 石原 貴規 | 創志学園高-天理大 | 捕手 | 21 | 173 | 75 | 右右 |
ドラ6 | 玉村 昇悟 | 丹生高 | 投手 | 18 | 177 | 75 | 右右 |
育成1 | 持丸 泰輝 | 旭川大高 | 捕手 | 18 | 177 | 80 | 右左 |
育成2 | 木下 元秀 | 敦賀気比高 | 外野手 | 18 | 183 | 87 | 左左 |
育成3 | 畝 章真 | 広島新庄高ー名商大-四国IL香川 | 投手 | 24 | 177 | 83 | 右右 |
大注目はやはり森下選手。
大学No1投手として注目されていましたが、他チームが佐々木朗、奥川を獲りに行く中で見事一本釣りに成功しました。
一年目からローテションを期待されており、新人王候補筆頭の呼び声が高いですね。
前評判通りの活躍を見せるのか、それともプロの壁に当たるのか。
森下選手は要注目です!
新外国人、FAなどの新加入選手
氏名 | 前所属チーム | ポジション | 年齢 | 身長 | 体重 | 投打 |
スコット | 3Aノーフォーク | 投手 | 28 | 190 | 84 | 右右 |
DJ.ジョンソン | ロッキーズ | 投手 | 31 | 193 | 104 | 右左 |
ピレラ | フィリーズ | 外野手 | 31 | 182 | 99 | 右右 |
スコット選手は長身から150㎞前後の速球を武器に、昨年はMLBも経験。
チームとしてはストッパーとして期待されています。
また、ピレラ選手は内外野を守れるユーティリティ―性も備えているようですが、基本的には外野の一角として期待されているようですね。
ピレラの活躍次第で得点力アップも期待できそうです。
退団選手
氏名 | ポジション | 年齢 | 動向 |
飯田 | 投手 | 28 | 引退 |
横山 | 投手 | 27 | 引退 |
長井 | 投手 | 20 | 戦力外 |
船越 | 捕手 | 25 | 戦力外 |
庄司 | 内野手 | 28 | 引退 |
永川 | 投手 | 38 | 引退 |
赤松 | 外野手 | 37 | 引退 |
岩本 | 外野手 | 33 | 引退 |
レグナルト | 投手 | 31 | 自由契約 |
ヘルウェグ | 投手 | 31 | 自由契約 |
サンタナ | 内野手 | 24 | 自由契約 |
ローレンス | 投手 | 32 | 自由契約 |
岡林 | 投手 | 20 | 戦力外 |
木村 | 内野手 | 23 | 戦力外 |
バティスタ | 外野手 | 28 | 契約解除 |
昨年から戦力ダウンとなりそうなのは、先ほども述べましたがバティスタ選手の契約解除でしょう。
一方で菊池涼選手が残留したのはチームにとってプラスですね。
かねてから熱望していたメジャー移籍を目指してポスティング申請も行っておりましたが、残念ながら入札球団が現れれず残留となりました。
12球団トップレベルの圧倒的な守備力で、チームの要でもあった菊池涼が残ったのは非常に大きいですね。
あともう1名2019年の退団選手で注目したいのは、やはり胃がんから一軍復帰を目指していた赤松選手です。
2005年に阪神に入団し、その後2008年に新井のFA移籍に伴う人的補償で広島に移籍。
俊足と高い守備能力でいぶし銀の活躍をする選手でした。
しかし、2016年に胃がんが発覚し、胃の半分を切除。
懸命なリハビリ期間を経て、練習復帰から実践復帰と段階を踏んでいき、2018年には2軍での試合出場も果たしました。
2019年には1軍での出場を目指していましたが、残念ながら実力で昇格を掴むところまでは叶いませんでした。
ただ、シーズン最終戦で引退試合という形ですが、センターの守備につき3年ぶりの公式戦出場を果たしています。
手術や抗がん剤などの治療により体力の低下は相当なものだったと思います。
ご本人の努力や周囲の方の支えもあり、最後にユニフォーム姿を見せられたのは、多くの野球ファンに勇気や感動という形で伝わったのではないでしょうか。
本当にお疲れ様でした。
ちなみに、個人的には平安高校時代に生で試合を観戦したことがありますが、とんでもない守備範囲に度肝を抜かれたのを覚えてます!
注目のレギュラー争い
個人的にはやはり田中広選手と小園選手のショート争いに注目してます。
経験実績でいえば当然田中広が上でしょうし、実力通り力を発揮するとレギュラーは確定といえるでしょう。
ただ、昨年見た小園のプレーを見ていると躍動感であったりセンスを感じますので、是非田中広と実力で勝負できるまで成長してほしいと感じています。
まとめ
・優勝した3年間と異なり、丸の移籍と田中広の不振が重なり得点力の著しく低下。結果的にはBクラスへ転落。・打線の中心は鈴木。圧倒的な存在感でセリーグ打撃部門の多くで上位の成績。
・高卒ルーキーの小園が一年目から躍動し、不振の田中広に代わって出場機会を得る。
・先発陣ではK.ジョンソン、大瀬良が安定した活躍。2020年は床田の成長と野村の復活がカギ。
・救援陣ではフランソアが中心として活躍。中崎の復活があるのかは要注目。
・ドラフトでは大学ナンバーワン右腕の森下を獲得。新人王獲得候補として名が挙がっている。
・新外国人のスコットは守護神、ピレラは外野のレギュラー候補として期待されている。
・菊池涼がメジャー移籍を断念して残留したのはチームにとってプラス。
・経験豊富な田中広と高卒2年目の小園のショート争いは今季も注目。
以上2019年広島の成績プレーバックと2020年の注目ポイントでした。
得点力を大幅に上げるには鈴木に繋げるための1~3番の出塁率がカギとなってきます。
開幕メンバーでは新外国人のピレラが1番、2番菊池涼、3番西川という並びですので、この3人が機能すると開幕ダッシュも期待できるのではないでしょうか。
あとは森下投手も1戦目では評判通りのピッチングを見せてくれたので、1年通して活躍できるか注目していきましょう。
プロ野球はどんどん進んでいきますが、まだまだ2019年のプレーバックは続きます。
あと5球団。。
サクッといきましょう、サクッと。。
では、また。
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