【前半戦終了】2020年のプロ野球新人王は誰だ!?

プロ野球

コロナの影響で開幕が遅れた2020年シーズンですが、各チームが約60試合を消化し前半戦が終了しました。

今回は新人王資格者の中から、8/31時点での成績を元に新人王の有力候補をピックアップしたいと思います。

この記事では以下のことが分かります

・新人王の資格、有力条件とは?

・過去10年における新人王および特別表彰の受賞者は?

・セリーグは森下、戸郷の一騎打ち。しかし、その間に割ってはいるのはこの選手!?

・パリーグは混戦模様も有力は楽天小深田、ロッテ安田など、そして大穴は育成出身のあの選手!

新人王資格とは

まず初めに新人王の資格は下記の通りとなります。

海外のプロ野球リーグに参加した経験がない
支配下選手に初めて登録されてから5年以内
・投手として前年までの1軍での登板イニング数が30イニング以内
・打者として前年までの1軍での打席数が60打席以内

なお、海外でのプロ野球リーグに参加していなければ、外国人選手でも新人王資格が得られるようになったのは1976年の改定からです。

2020年では中日のA.マルティネス、ロドリゲスの2選手が該当しています。

過去10年の新人王受賞者

セリーグ

過去10年間のセリーグ新人王受賞者を一覧表にまとめました。

氏名守備年数ドラフト最終経歴主な成績
2019村上 宗隆(ヤ)内野手21高校143試合、打率.231、安打118、HR36、打点96、OPS.814
2018東 克樹(D)投手11大学24試合(先発24)、154回、11勝5敗、防御率2.45、155奪三振、WHIP1.12
2017京田 陽太(中)内野手12大学141試合、打率.264、安打149、HR4、打点36、23盗塁、OPS.652
2016高山 俊(阪)外野手11大学 134試合、打率.275、安打136、HR8、打点65、OPS.707
2015山崎 康晃(D)投手11大学58試合、56回1/3、防御率1.92、2勝、4敗、7H、37S、66奪三振、WHIP0.87
2014大瀬良 大地(広)投手11大学26試合(先発26)、151回、防御率4.05、10勝8敗、116奪三振、WHIP1.36
2013小川 泰弘(ヤ)投手 12大学26試合(先発26)、178回、防御率2.93、16勝4敗(最多勝)、135奪三振、WHIP1.12
2012野村 祐輔(広)投手11大学27試合(先発27)、172回2/3、防御率1.98、9勝11敗、103奪三振、WHIP1.13
2011沢村 拓一(巨)投手11大学29試合(先発29)、200回、防御率2.03、11勝11敗、174奪三振、WHIP0.97
2010長野 久義(巨)外野手11社会人128試合、打率.288、安打124、HR19、打点52、OPS.821

こうしてみると、なかなか素晴らしい顔ぶれですね。

ケガで離脱した選手もいますが、多くがその後チームの中心として活躍しています。

やはりスターへの登竜門といえるタイトルです。

また、新人王を獲得するまでには至らなかったものの、同等の成績を有すると認められた選手には特別表彰が与えられます。

こちらも過去10年での受賞者を下記にまとめました。

氏名守備年数ドラフト最終経歴主な成績
2013菅野 智之(巨)投手11大学27試合(先発26)、176回、防御率3.12、13勝6敗、155奪三振、WHIP1.15
2013藤浪 晋太郎(阪)投手11高校24試合(先発23)、137回2/3、防御率2.75、10勝6敗、126奪三振、WHIP1.18
2017濵口 遥大(D)投手11大学22試合(先発22)、123回2/3、10勝6敗、136奪三振、WHIP1.50
2019近本 光司(阪)外野手11社会人142試合、打率.271、安打159、HR9、打点42、盗塁36(盗塁王)、OPS.689、 

2013年は小川選手(ヤクルト)最多勝を獲得するなど文句なしの成績で新人王を受賞したものの、菅野選手(巨人)、藤浪選手(阪神)も素晴らしい成績でした。

また、2019年の近本選手新人最多安打記録盗塁王を獲得するなど例年であれば文句なしの新人王候補だったものの、やはり村上選手(ヤクルト)のインパクトの方がより強烈だったため、特別表彰を受賞という形になりました。

パリーグ

続いて過去10年のパリーグ新人王受賞者はこちら。

氏名守備年数ドラフト最終経歴主な成績
2019高橋 礼(ソ)投手22大学23試合(先発23)、143回、防御率3.34、12勝6敗、73奪三振、WHIP1.14
2018田中 和基(楽)外野手23大学105試合、打率.265、安打112、HR18、打点45、盗塁21、OPS.746
2017源田 壮亮(西)内野手13社会人143試合、打率.270、安打155、HR3、打点57、盗塁37、OPS.669
2016高梨 裕稔(日)投手24大学37試合(先発14)、109回2/3、防御率2.38、10勝2敗、1H、86奪三振、WHIP1.09
2015有原 航平(日)投手11大学18試合(先発18)、103回1/3、防御率4.79、8勝6敗、81奪三振、WHIP1.40
2014石川 歩(ロ)投手11社会人25試合(先発25)、160回、防御率3.43、10勝8敗、111奪三振、WHIP1.26
2013則本 昴大(楽)投手12大学27試合(先発25)、170回、15勝8敗、134奪三振、WHIP1.14、完投3
2012益田 直也(ロ)投手14大学72試合、75回1/3、2勝2敗、41H1S、57奪三振、WHIP1.06
2011牧田 和久(西)投手12社会人55試合(先発10)、127回2/3、5勝7敗、1H22S、86奪三振、WHIP0.95
2010榊原 涼(日)投手22大学39試合(先発1)、72回、防御率2.63、10勝1敗6H、54奪三振、WHIP0.99

やはりパリーグの受賞者も源田、有原、則本、益田など球界を代表するような選手がずらり。

なお、パリーグの特別表彰者はこちら。

氏名守備年数ドラフト最終経歴主な成績
2011塩見 貴洋(楽)投手11大学24試合(先発24)、154回2/3、防御率2.85、9勝9敗、113奪三振、WHIP1.15
2012武田 翔太(ソ)投手11高校11試合(先発11)、67回、防御率1.07、8勝1敗、67奪三振、WHIP0.99

武田選手高卒1年目でこの成績は素晴らしいでね。

もう少し試合数が多ければ、十分新人王も狙える成績でした。

ちなみに、過去20年を振り返れば、高卒1年目で新人王を受賞したのは1999年の松坂選手(西武)2007年の田中(楽天)の二人。

メジャーでも活躍するだけのポテンシャルがないと受賞するのは難しいといえそうです。

新人王受賞のポイント

過去の10年(20名)の傾向を分析すると

【最終経歴】
大学15名、社会人4名、高校1名、独立0名

【年数】
1年目15名、2年目5名、3~5年0名

【守備】
投手14名、内野手3名、外野手3名、捕手0名

【ドラフト順位】
1位10名、2位6名、3位2名、4位2名、5位以下0名、育成0名

以上を踏まえると、新人王に最も近い条件は

大卒のドラフト1位投手で1年目の選手

と言えます。

投手有利は否めないですね。

野手の方がプロに慣れるまで時間がかかるという事なのでしょうか。

また、成績に目を向けてみると、受賞に向けての加点ポイントは下記の通り。

投手では先発が有利

先発も中継ぎも10勝以上挙げる

中継ぎでは試合出場数が多く、ホールド、セーブなどを記録できている

野手では全試合数の約7割以上の出場かつ1試合当たり約1本安打を打っている

安打数が少ない場合はHRや打点、盗塁などでリーグ上位にランクイン

あくまで過去10年の成績からは、以上のような特徴があると考えました。

なお、2020年シーズンは試合数が120試合ですので、投手では8勝あたりが一つのラインになるのではないでしょうか。

また、野手の試合出場を全試合の7割で考えると84試合ほどが目安と言えるでしょう。

セリーグ新人王予想

個人的な視点でセリーグの新人王を予想しました。

野手では有力候補がいなかったため、こちらの3人が有力ではないでしょうか。

※以下の各選手成績は8/31時点での記録

◎森下 暢仁 (広島)

’19ドラフト1位 大卒1年目 投手


試合
先発投球回防御率勝利敗北ホールドセーブ奪三振WHIP
9961 2/32.19 5200641.10 

開幕前から新人王最有力候補といわれておりましたが、その評判通り素晴らしいプレーを続けています。

8/14には新人での完封一番乗りを記録するなど、先発として高い能力を発揮。

150㎞超えの伸びのある直球多彩な変化球を織り交ぜ、制球力も高いとなると相手チームをなかなか攻略できません。

大卒ドラフト1位の1年目、そして先発投手と新人王の有力条件にもぴったりです。

後半戦でも同様のピッチングが続けれれば、本命は揺るぎないのではないでしょうか。

○戸郷 翔征(巨人)

’18ドラフト6位 高卒2年目 投手

試合先発投球回防御率勝利敗北ホールドセーブ奪三振WHIP
99521.90 7200581.06 

森下投手が大本命といったものの、戸郷選手も成績だけ見れば森下投手を上回っている点も多数あります。

正直、森下選手と甲乙つけがたい素晴らしい成績です。

ただ、ドラフト下位指名がここ10年で新人王を獲れていないという点から対抗評価としました。

ちなみ1年目から大器の片りんを見せていましたが、2年目に入り見事ローテーション入りを果たしています。

最長でも7回と長いイニングを投げ切る体力はまだありませんが、高卒2年目とは思えない堂々たるピッチングを続けています。

プロの一線級では少ないアーム投げながら、150㎞を超えるストレート大きなスライダーを武器に高い奪三振率を誇ります。

果たしてドラフト下位指名の選手が新人王を獲れるのか注目です。

▲清水 昇(ヤクルト)

’18ドラフト1位 大卒2年目 投手

試合先発投球回防御率勝利敗北ホールドセーブ奪三振WHIP
27028 1/32.54 02160331.02 

森下選手と戸郷選手の一騎打ちかと思いきや、実は素晴らしい成績を残しているのが、この清水選手です。

今季のヤクルトブルペンを支えているのは間違いなくこの選手。

16ホールドはセリーグ1位の成績。

闘志むき出しのピッチングでチームを鼓舞する気持ちの入ったピッチャーという印象です。

後半戦も素晴らしいピッチングでホールド数を重ね、仮に森下、戸郷両選手が後半戦に失速するようなことがあれば逆転での新人王もあるかもしれませんね!

パリーグ新人王予想

続いてパリーグの予想です。

こちらはセリーグと異なり混戦模様。

◎小深田 大翔(楽天)

’19ドラフト1位 社会人卒1年目 内野手

試合打率安打HR打点 盗塁OPS
560.2664612100.689

開幕当初は守備固めや代走から出場だったものの、徐々に出場機会を増やし、8月は全試合スタメン出場と完全にチームの信頼を得ました。

長打力はないものの、シュアなバッティングが魅力な選手です。

守備での貢献度も高く、盗塁数はチームトップと走攻守において非常に素晴らしい活躍です。

7割以上は出場しそうなペースですので、試合数並みの安打数を打てれば、非常に有力な一人と言えるのではないでしょうか。

ちなみに昨年セリーグで特別表彰を受賞した近本選手は大阪ガスの1年先輩

新人王獲得で先輩超えを果たせるかも注目です。

○安田 尚憲(ロッテ)

’17ドラフト1位 高卒3年目 内野手

試合打率安打HR打点 盗塁OPS
550.221422800.651

ルーキーイヤーでは1軍出場を果たすも、2年目はみっちり2軍で実力をつけてきました。

ちなみに1年目の1軍出場では60打席ちょうどでしたので、新人王資格を持ったまま満を持しての2020年開幕です。

球団として新人王を獲らせたいという思いも強いかもしれません。

ちなみに7/21からは4番に座り、以来打順の変更はありません。

本気で安田選手を真の4番として育てようという意思を感じます。

まだまだ打率こそ低いものの、ここぞという場面で結果を残しており、打点28もなかなか優秀な成績です。

伸びしろも感じますので、後半戦さらなる成長が見られると新人王も見えてくるのではないでしょうか。

▲平良 海馬(西武)

’17ドラフト4位 高卒3年目 投手

試合先発投球回防御率勝利敗北ホールドセーブ奪三振WHIP
27026 1/32.39 00110321.06 

平良投手を初めて見たときは、「どえらい馬力のピッチャーやな!」と衝撃を受けました。

7/19の楽天戦では自己最速更新となる160㎞を記録するなど、力でねじ伏せる投球は圧巻です。

リリーフで新人王を獲得するには後半戦でホールド数をさらに重ねる必要がありますが、十分可能性はあるのではないでしょうか。

△板東 湧梧(ソフトバンク)

’18ドラフト4位 社会人卒2年目 投手

試合先発投球回防御率勝利敗北ホールドセーブ奪三振WHIP
11127 2/31.95 2120261.05 

直球、変化球、コントロールとどれも優れており、非常に安定感がありますね。

一度先発を任されたものの、結果を残せず再びリリーフに回りました。

ただ、ロングリリーフで結果を残すなど、貢献度は非常に高く信頼度もありそうです。

ただホールド数も現時点では少なく、新人王を獲得するには勝利数を重ねられるかどうかがカギになるかもしれません。

×和田 康士朗(ロッテ)

’17育成ドラフト1位 独立リーグ出身3年目(支配下1年目) 外野手

試合打率安打HR打点 盗塁OPS
340.25780160.636

個人的に今、最もワクワクする選手はこの選手。

開幕当初から代走での出場がメインでしたが、8/16の初スタメンで3安打3盗塁3得点と大活躍。

8/19にはエンドランとはいえ単打で1塁から一気にホームまで帰ってきたプレーは衝撃的でした。

守備範囲もかなり広く、度々ファインプレーを見せています。

8月終了時点の盗塁数16はリーグトップで、盗塁王も十分狙えそうです。

走塁と守備面では十分1軍レベルであることは証明できたので、あとは打撃面ですね。

正直、新人王を獲るには出場試合数が足りない可能性がありますが、盗塁王とゴールデングラブ賞などを獲るようであれば、もしかするともしかするかもですね。

楽しみに後半戦も見ていきたいと思います。

まとめ

今回のまとめは以下の通り

・新人王の最も有力な条件は大卒1年目のドラフト1位投手

・セリーグの本命は森下(広)、対抗は戸郷(巨)も上位二人の結果次第で清水(ヤ)にも可能性あり

・パリーグは混戦模様も有力なのは小深田(楽)、安田(ロ)

・リリーフとしては平良(西)、板東(ソ)も有力

・可能性は低いものの和田(ロ)は盗塁王などを取れれば少しは期待できる

新人王を選ぶのは記者投票のため、数字だけではなく印象度も重要な要素。

ームにどの程度貢献できているかここぞという場面で活躍できているかなど、数字に表れない部分も最後は影響してくるかもしれません。

今回紹介した新人王の有力候補が、後半戦どのように活躍するのかも注目していきたいと思います。

それではまた!

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