シーズンはどんどん進んでいますが、引き続き2019年のプレーバックを行いたいと思います。
今回は昨年パリーグ5位の日本ハムです!
では、参りましょう!!
※他チームの2019年成績はこちら(巨人、西武、横浜、ソフトバンク、阪神、楽天、広島、ロッテ、中日、ヤクルト、オリックス)
チーム成績
リーグ5位 交流戦7位
試合 | 勝利 | 敗北 | 引分 | 勝率 |
143 | 65 | 73 | 5 | 0.471 |
シーズン序盤は上位争いを演じ、6月後半に一時失速したものの、7月に一気に貯金を増やして首位まで0.5ゲーム差とくらいついていました。
しかし、8月だけで借金15と大きく負け越したことで、順位を大きく落としてしまい最終的には5位でフィニッシュとなりました。
得点 | 失点 | 打率 | 本塁打 | 盗塁 | 防御率 |
560 | 586 | 0.2512 | 93 | 48 | 3.76 |
5位 | 3位 | 2位 | 6位 | 5位 | 3位 |
打率は2位と高かったものの2位から5位までが5厘差という小さな差でしたので、特筆して好成績という訳ではないです。
一方で失点、防御率は上位2チームと大差はありませんでした。
そう考えると本塁打が最少、得点・盗塁共に5位といった攻撃面での成績が良くなかったことが2019年の低迷につながったのではないでしょうか。
主力野手の成績
2019年開幕オーダー
シーズンを占う大事な開幕スタメンはどうだったか見てみましょう。
打順 | 位置 | 名前 | 年齢 | 年数 | 試合 | 打率 | HR | 打点 | 盗塁 | OPS |
1 | 三 | 浅間 | 23 | 5 | 13 | 0.207 | 0 | 1 | 0 | 0.578 |
2 | 中 | 西川 | 27 | 9 | 142 | 0.288 | 5 | 41 | 19 | 0.779 |
3 | DH | 近藤 | 26 | 8 | 138 | 0.302 | 2 | 59 | 1 | 0.822 |
4 | 一 | 中田 | 30 | 12 | 124 | 0.242 | 24 | 80 | 0 | 0.778 |
5 | 左 | 王 | 26 | 1 | 88 | 0.255 | 3 | 35 | 1 | 0.647 |
6 | 右 | 大田 | 29 | 11 | 132 | 0.289 | 20 | 77 | 6 | 0.776 |
7 | 二 | 石井 | 25 | 3 | 76 | 0.224 | 4 | 22 | 2 | 0.649 |
8 | 捕 | 鶴岡 | 38 | 17 | 35 | 0.177 | 1 | 4 | 0 | 0.473 |
9 | 遊 | 中島 | 28 | 11 | 120 | 0.220 | 0 | 16 | 12 | 0.522 |
※赤字はリーグ1位、青字はチーム1位(打率、OPSは規定打席達成者)
※OPS=出塁率+長打率
近藤選手はリーグ最高出塁率のタイトルを初受賞するなど、ヒットメーカーとして安定の活躍でした。
リーグ唯一の100四球以上と選球眼も素晴らしいですね。
西川選手は開幕当初こそ2番でしたが、ほとんどの試合で一番として出場しました。
出塁率はリーグ5位とトップバッターとしての役割は果たしたといえるでしょう。
また、3年連続ゴールデングラブ賞を受賞しており、守備面での貢献も大きかったですね。
ただ、盗塁数が19とチームトップであるものの、2018年まで5年連続30盗塁以上記録していた成績と比較すると物足りない成績でした。
なお、2020年オフにはメジャー挑戦を希望しているそうです。
獲得球団が出るかどうかはまだ分かりませんが、日本で最後の一年となる可能性もあるだけにチームを引っ張る活躍をしてほしいですね!
中田選手は打率こそ低いものの、HR・打点でチームトップと長打力でチームをけん引しました。
過去2度打点王を獲得していますが、中田選手が打点王争いをしてくる状況ですとチームも上位進出が見えてくるのではないでしょうか。
大田選手も移籍3年目で、もはやチームに欠かせない存在となってきました。
シーズン途中から2番を務めることが多くなりましたが、現代野球の特徴でもある攻撃型2番として2020年も活躍できるか注目していきたいですね。
期待通りの活躍といかなかったのは台湾から加入した王選手でしょうか。
台湾リーグで三冠王や2度の4割越えを記録するなど、『台湾の大王』の異名で日本の複数球団からオファーを受けておりました。
レアード退団の後を受け、長打力解消を期待しましたが、HRは3本と思ったような成績を残せませんでした。
2年目となる今季は期待通りの活躍できるのか、それとも再び日本野球の壁に跳ね返されるのか正念場となりそうです。
その他の主な野手成績
その他の出場試合数が多かった選手を挙げてみます。
位置 | 名前 | 年齢 | 年数 | 試合 | 打率 | HR | 打点 | 盗塁 | OPS |
内 | 渡邉 | 24 | 6 | 132 | 0.262 | 11 | 58 | 0 | 0.718 |
捕 | 清水 | 23 | 5 | 98 | 0.259 | 5 | 24 | 0 | 0.686 |
内 | 田中賢 ▲ | 38 | 18 | 89 | 0.255 | 1 | 16 | 0 | 0.655 |
内外 | 杉谷 | 28 | 11 | 83 | 0.209 | 4 | 12 | 5 | 0.635 |
内外 | 清宮 | 20 | 2 | 81 | 0.204 | 7 | 33 | 0 | 0.610 |
内 | 横尾 | 26 | 4 | 78 | 0.188 | 3 | 13 | 0 | 0.568 |
内 | 平沼 | 22 | 4 | 73 | 0.236 | 1 | 16 | 2 | 0.624 |
開幕スタメンを勝ち取れなかったものの、渡邉選手は出場機会を増やし、飛躍の一年となりました。
2020年は上位打線を任されており、チームの期待を感じます。
2年目となる清宮選手は1年目から出場試合数を増やしたものの、成績を大きく伸ばすことはできませんでした。
同期のヤクルト村上選手が新人王を獲得するなど、同じ左の長距離砲として現時点では後れを取っていますが、ポテンシャルは決して劣っていないと思いますので今季の覚醒に期待したいと思います。
主力投手の成績
先発
名前 | 年齢 | 年数 | 試合(先発) | 投球回 | 勝利 | 敗北 | 防御率 | 奪三振率 | K/BB | WHIP |
有原 | 27 | 5 | 24(23) | 164 1/3 | 15 | 8 | 2.46 | 8.82 | 4.03 | 0.92 |
加藤 | 27 | 4 | 26(21) | 92 | 5 | 7 | 3.52 | 6.85 | 3.04 | 1.17 |
金子 | 36 | 15 | 26(19) | 109 2/3 | 8 | 7 | 3.04 | 6.16 | 1.88 | 1.33 |
杉浦 | 27 | 6 | 14(14) | 65 | 4 | 4 | 3.74 | 6.92 | 3.85 | 1.00 |
上沢 | 25 | 8 | 11(11) | 71 1/3 | 5 | 3 | 3.15 | 8.07 | 2.37 | 1.35 |
ロドリゲス | 28 | 2 | 34(10) | 91 1/3 | 6 | 7 | 3.25 | 5.42 | 2.04 | 1.27 |
※K/BB=奪三振/与四球 投手の制球力を示す指標の一つ。2.0超でまずまず、3.5超でかなり優秀とされる
※WHIP=(与四球+被安打)/投球回 1イニングあたりに出したランナーの数値。
エースの有原選手は自身初となる最多勝を受賞しました。
WHIPも0.92と12球団でトップの数値でした(規定投球回数達成者のみ)。
安定感抜群のピッチングで、今季も大黒柱としての活躍が期待されます。
また、先発投手の起用法に関して、日ハムは12球団で初となる『ショートスタータ―』という戦術を試みていました。
これは2018年にMLBで使われていた『オープナー』という戦術(クローザーを初回に1イニング限定で登板させる)を改良したもの。
ショートスターターは先発タイプの選手が3イニング、または打者1巡をめどに第2先発へと継投するといった戦術。
主に加藤選手、堀選手、ロドリゲス選手がこの役割を担い、ある一定のメリットも生みました(堀は10試合で先発)。
一方で調整面の課題やチーム全体としてまだ明確なルールができておらず、困惑する選手がいたなどの指摘もあったようですね。
今季もショートスターターをどの程度使ってくるのか分かりませんが、理論上は有効な部分もあるかと思いますので、投手起用にも注目したいですね。
救援
名前 | 年齢 | 年数 | 試合 | 投球回 | 勝利 | 敗北 | ホールド | HP | セーブ | 防御率 | 奪三振率 | K/BB | WHIP |
玉井 | 27 | 3 | 65 | 62 | 2 | 3 | 11 | 13 | 0 | 2.61 | 4.94 | 1.55 | 1.19 |
公文 | 27 | 7 | 61 | 52 1/3 | 2 | 0 | 17 | 19 | 1 | 3.96 | 5.33 | 1.72 | 1.13 |
石川直 | 23 | 5 | 60 | 54 1/3 | 3 | 2 | 21 | 24 | 5 | 3.31 | 12.42 | 4.69 | 1.01 |
宮西 | 34 | 12 | 55 | 47 1/3 | 1 | 2 | 43 | 44 | 0 | 1.71 | 9.70 | 8.50 | 0.80 |
秋吉 | 30 | 6 | 53 | 51 2/3 | 0 | 5 | 7 | 7 | 25 | 2.96 | 8.36 | 2.53 | 1.10 |
堀 | 21 | 3 | 53 | 60 1/3 | 4 | 4 | 5 | 9 | 1 | 5.22 | 9.10 | 3.39 | 1.31 |
宮西選手が2年連続3回目となる最優秀中継ぎを受賞しました。
なお、プロ野球史上初めて通算300ホールドという大偉業を打ち立てました!
シーズンが終わってみればプロ入り1年目から12年連続50試合以上の登板を達成しており、まさにキングオブ鉄腕と言えるでしょう。
今季もセットアッパーとしてチームに欠かせない存在として活躍するのではないでしょうか。
秋吉選手は守護神としてチーム最多の25セーブを挙げており、まずまずの活躍だったといえるでしょう。
ただ、石川直選手も最速156㎞の速球を武器に高い奪三振率も記録しており、ストッパー候補としても名乗りを挙げています。
キャンプ中に痛めた右ひじの状態は気になりますが、高いレベルで競い合うとより相乗効果で互いに良い成績が望めるかもしれませんね。
2020年度新加入選手と2019年の退団選手
新加入選手
ドラフト指名選手
順位 | 氏名 | 経歴 | ポジション | 年齢 | 身長 | 体重 | 投打 |
ドラ1 | 河野 竜生 | 鳴門高-JFE西日本 | 投手 | 21 | 174 | 82 | 左左 |
ドラ2 | 立野 和明 | 中部大第一高-東海理化 | 投手 | 21 | 181 | 82 | 右右 |
ドラ3 | 上野 響平 | 京都国際高 | 内野手 | 18 | 172 | 68 | 右右 |
ドラ4 | 鈴木 健矢 | 木更津総合高-JX-ENEOS | 投手 | 22 | 176 | 82 | 右左 |
ドラ5 | 望月 大希 | 市船橋高-創価大 | 投手 | 21 | 187 | 85 | 右右 |
ドラ6 | 梅林 優貴 | 高陽東高-広島文化学園大 | 捕手 | 21 | 173 | 85 | 右右 |
ドラ7 | 片岡 奨人 | 札幌日大高-東日本国際大 | 外野手 | 22 | 184 | 78 | 右左 |
育成1 | 宮田 輝星 | 出水中央ー福岡大 | 外野手 | 22 | 177 | 69 | 右両 |
育成2 | 樋口 龍之介 | 横浜高─立正大─BC新潟 | 内野手 | 25 | 168 | 84 | 右右 |
育成3 | 長谷川 凌汰 | 福井商高ー龍谷大ーBC新潟 | 投手 | 24 | 188 | 98 | 右左 |
ドラフト会議では佐々木朗選手の抽選を外し、社会人No.1左腕と評された河野(かわの)選手を獲得。
即戦力としての活躍を期待されており、7月5日時点では先発として1試合登板しています。
その他の獲得選手は、知名度という点ではあまり知られていないのではないかと思います(私個人が知らないだけで、詳しい方がいらしたらスミマセン。。)。
ただ、育成に定評のある日ハムですから、活躍する選手が出てくるのを期待したいと思います。
新外国人、FAなどの新加入選手
氏名 | 前所属チーム | ポジション | 年齢 | 身長 | 体重 | 投打 |
バーヘイゲン | MLB・タイガース | 投手 | 30 | 198 | 104 | 右右 |
ビヤヌエバ | 巨人 | 内野手 | 29 | 180 | 95 | 右右 |
バーヘイゲン選手は昨季はメジャーで22試合に登板し4勝3敗の実績があります。
先発ローテンションとして活躍できるとチームにとって大きなプラスとなるのではないでしょうか。
退団選手
氏名 | ポジション | 年齢 | 動向 |
ハンコック | 投手 | 29 | 退団 |
バーベイド | 投手 | 27 | 退団 |
中村 | 投手 | 28 | 戦力外 |
田中豊 | 投手 | 26 | 巨人育成 |
立田 | 投手 | 23 | JR北海道 |
実松 | 捕手 | 38 | 引退 |
田中賢 | 内野手 | 38 | 引退 |
森山 | 外野手 | 25 | 戦力外 |
岸里 | 外野手 | 24 | 琉球 |
森本 | 内野手 | 25 | 引退 |
昨年退団した選手の中では、田中賢選手の引退が最も大きな出来事でしょうか。
途中メジャー挑戦の為、渡米した2年間がありましたが(メジャー在籍は2013年のみ)、NPBでのプロ生活は復帰後も含めて日ハム一筋の18年間。
ベストナイン6回、ゴールデングラブ5回を獲得しており、チームの中心選手として優勝も経験するなど欠かせない存在でした。
選手としての特徴は広角に打ち分けるシュアなバッティングに優れた選球眼、ポジショニングに優れた堅実な二塁守備、そして高い盗塁成功率という走攻守に優れた選手でした。
このような名選手が去るのは寂しい限りですが、引退後も様々な形で野球界に貢献してほしいですね!
注目のレギュラー争い
レギュラー争いが激しいのはサードでしょうか。
サードは昨年もレギュラーを固定できず、横尾選手、平沼選手、近藤選手、石井選手ら複数選手がスタメンとして出場しておりました。
本命は誰かと思っていましたが、ここで現れたのが高卒2年目の野村選手です。
練習試合でも結果を残し、2020年の開幕スタメンを勝ち取りました。
数試合はヒットが出ずに苦しみましたが、一本出てからは少しずつ結果も残し、7月2日のソフトバンク戦ではサヨナラ安打の大活躍。
思いきりの良い打撃でこのままレギュラーを掴むのか注目の選手です!
まとめ
2019年の日ハムのまとめと2020年シーズンの注目ポイントは以下の通り。
・シーズン序盤は上位争いも8月に大失速してしまい5位でシーズンを終える。
・打線の中心は近藤、西川、中田、大田。期待された王は結果を残せず。
・開幕スタメンを残せなかったが、その後出場機会を得た渡邉は飛躍の一年となった。
・先発陣では在原が最多勝を受賞するなど大黒柱として活躍。チームとしては新戦術『ショートスターター』を試すものの、今後に課題を残すこととなった。
・リリーフ陣では鉄腕宮西が通算300ホールド、12年連続50試合以上登板を達成。
・新加入選手ではルーキーの河野、新外国人のバーヘイゲンが先発ローテとして期待。
・NPBでは日ハム一筋18年間の田中賢が現役引退。
・高卒2年目の野村がサードのレギュラーを目指して猛アピールしている。
日ハムの選手成績を見ていると、野手陣のレギュラーは高卒入団が多く、改めて育成能力が高いと感じます。
今季も野村選手が楽しみな存在ですが、まだ結果が出ていない選手もアピールを続けていれば新たなスターが現れるかもしれませんね。
万波選手は高校時代から個人的に注目しているので、今後どのような結果を出してくるのか見守りたいと思っています。
また、課題は残るもののショートスターターを導入するなど、既存の概念に捉われない栗山監督の手腕はなかなか面白いですね。
長期政権になり結果が出ないと批判の声も大きくなってくるかもしれませんが、今後も栗山監督がどのような野球を目指すのか、どのような人材を育てるのかなど興味が非常にあります。
今季も日ハム野球に注目してみましょう!
それでは今日はこの辺で。
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