2019年のチーム成績プレーバックの第二弾。
今回はパリーグ優勝の西武です。
※他チームの2019年成績はこちら(巨人、横浜、ソフトバンク、阪神、楽天、広島、ロッテ、中日、日ハム、ヤクルト、オリックス)
それでは早速いってみましょう。
チーム成績
2019年 パリーグ1位
試合 | 勝利 | 敗北 | 引分 | 勝率 |
143 | 80 | 62 | 1 | 0.563 |
得点 | 失点 | 打率 | 本塁打 | 防御率 |
756 | 695 | 0.265 | 174 | 4.35 |
1位 | 6位 | 1位 | 2位 | 6位 |
2019シーズンの序盤は混戦模様のパリーグ。
8月9日時点で貯金が1だったにも関わらず、そこから5ゲーム差の首位ソフトバンクを猛追し、最終的には貯金18まで持ってきました。
この終盤の勢いが凄まじかったですね。
この勢いをもたらした西武の魅力は何と言っても圧倒できな打力!
ただ、その一方で投手陣は。。
打線は水物とはよく言いますが、結果的に短期決戦でのCSでソフトバンクに敗れ、シーズン連覇に関わらず、2年連続で日本シリーズには進めておりません。
投手力だけが短期決戦のカギとはいえませんが、打線が爆発する前に短期決戦で敗れている印象もあります。
強さともろさを兼ね備えたチームである西武がより盤石になる為に、今期も投手陣の奮闘が必要となりそうです。
2019年開幕オーダーは?
打順 | 位置 | 名前 | 年齢 | 年数 | 試合 | 打率 | HR | 打点 | 盗塁 | OPS |
1 | 左 | 金子侑 | 29 | 7 | 133 | 0.251 | 3 | 33 | 41 | 0.616 |
2 | 遊 | 源田 | 26 | 3 | 135 | 0.274 | 2 | 41 | 30 | 0.674 |
3 | 中 | 秋山 | 31 | 9 | 143 | 0.303 | 20 | 62 | 12 | 0.864 |
4 | 一 | 山川 | 28 | 6 | 143 | 0.256 | 43 | 120 | 1 | 0.912 |
5 | 捕 | 森 | 24 | 6 | 135 | 0.329 | 23 | 105 | 3 | 0.959 |
6 | 二 | 外崎 | 27 | 5 | 143 | 0.274 | 26 | 90 | 22 | 0.846 |
7 | DH | 栗山 | 36 | 18 | 123 | 0.252 | 7 | 54 | 0 | 0.687 |
8 | 三 | 中村 | 36 | 18 | 135 | 0.286 | 30 | 123 | 2 | 0.887 |
9 | 右 | 木村 | 31 | 13 | 130 | 0.220 | 10 | 38 | 16 | 0.613 |
※OPS=出塁率+長打率
こうしてみると、開幕スタメン全員が年間通して試合に出場しているのが分かります(120試合以上出場)。
これはチームとして非常に安定していますね。
そして、打撃部門でタイトルホルダーがずらり。。
首位打者 森 0.329(初)
最多安打 秋山 179(3年連続4度目)
最多本塁打 山川 43(2年連続2度目)
最多打点 中村 123(4年ぶり4度目)
最多盗塁 金子侑 41(3年ぶり2度目)
素晴らしい成績です。
そして、この強力打線において最も素晴らしい活躍をしたのは、昨年のMVPを獲得した森選手でしょう。
素晴らしいバットコントロールに長打力を兼ね備えており、OPSも0.959とリーグトップの成績でした。
キャッチャとしてのスタメンが120試合以上あり、現時点の日本で最も打てるキャッチャーであることは間違いないでしょう。
今年の活躍も期待したいですね。
打撃陣はどの選手も素晴らしかったのですが、個人的に素晴らしい活躍をしたと感じるのが、2018年まで在籍した浅村選手の穴を埋めた。。。
そうです、アップルパンチ外崎(とのさき)です!
2018年までは浅村がセカンド固定だったため、外崎はサードもしくは外野を守っていました。
浅村が楽天に移籍し、抜けた穴をカバーできる選手は誰かと心配されていました。
OPSで比較してみると、
2018年
外崎 0.830 浅村 0.910
2019年
外崎 0.846 浅村(楽天1年目) 0.878
数字だけ見てみればやはり浅村の方が上ではありますが、リーグ全体でみても昨年のOPSランキングで浅村6位に対して外崎9位ですからね。
十分な活躍といえるでしょう!
もうただのユーティリティープレイヤーではないですね。
今年も外崎選手に注目したいと思います。
主力投手の成績
先発
先発15試合以上の選手は以下の通り(多和田は開幕投手として含めました)。
名前 | 年齢 | 年数 | 試合(先発) | 投球回 | 勝利 | 敗北 | 防御率 | 奪三振率 | K/BB | WHIP |
今井 達也 | 21 | 3 | 23(21) | 135 1/3 | 7 | 9 | 4.32 | 6.98 | 1.46 | 1.47 |
高橋 光成 | 22 | 5 | 21(20) | 123 2/3 | 10 | 6 | 3.42 | 6.55 | 1.91 | 1.54 |
十亀 剣 | 32 | 8 | 19(17) | 102 | 5 | 6 | 4.50 | 5.03 | 1.84 | 1.34 |
ニール | 31 | 1 | 17(17) | 100 1/3 | 12 | 1 | 2.87 | 4.57 | 3.40 | 1.18 |
本田 圭祐 | 26 | 4 | 16(16) | 91 | 6 | 6 | 4.63 | 5.22 | 1.89 | 1.27 |
松本 航 | 23 | 1 | 16(16) | 85 1/3 | 7 | 4 | 4.54 | 6.86 | 1.41 | 1.56 |
多和田 | 26 | 4 | 12(11) | 66 1/3 | 1 | 6 | 5.83 | 5.02 | 1.48 | 1.64 |
※K/BB=奪三振/与四球 投手の制球力を示す指標の一つ。2.0超でまずまず、3.5超でかなり優秀とされる
※WHIP=(与四球+被安打)/投球回 1イニングあたりに出したランナーの数値。
救援
名前 | 年齢 | 年数 | 試合 | 投球回 | ホールド | HP | セーブ | 防御率 | 奪三振率 | K/BB | WHIP |
平井 克典 | 28 | 3 | 81 | 82 1/3 | 36 | 41 | 0 | 3.50 | 7.21 | 2.06 | 1.32 |
小川 龍也 | 28 | 10 | 55 | 38 1/3 | 15 | 19 | 1 | 2.58 | 6.57 | 2.33 | 1.23 |
マーティン | 27 | 1 | 41 | 41 2/3 | 10 | 12 | 1 | 3.67 | 7.78 | 1.29 | 1.63 |
増田 達至 | 31 | 7 | 65 | 69 2/3 | 7 | 11 | 30 | 1.81 | 9.56 | 7.40 | 0.88 |
野手陣とは異なり、投手陣とくに先発は苦しい一年となりました。
長らく西武のエースを務めた菊池雄星選手がメジャーへ渡り、新たにエースとして期待された多和田選手も1勝6敗と活躍できませんでした。
序盤に2軍へ降格したニールが6月後半に再昇格し、そこから大活躍しましたが、これがなけらば違ったチーム順位だったかもしれません。
今井、高橋光、松本など若手の成長が必須です。
その他にもドラフトや新外国人など新戦力の力も必要となってくるでしょう。
一方、救援陣は頑張りました。
平井選手はリーグトップの81登板でした。
先発陣が苦しいと救援陣に負担がかかってきますが、平井選手が大車輪の活躍でした。
また、ストッパーである増田選手。
K/BB 0.88、WHIP 0.88と抜群の安定感です!
簡単に言うとK/BBがコントロールの良さ、WHIPが1イニングにランナーを何人出すかの指標です。
増田選手は共に高い数値をたたき出したことから、非常にコントロールが良く大崩れしないピッチャーといえるでしょう。
今年もストッパーとして活躍を期待しましょう。
2020年度新加入選手と2019年の退団選手
新加入選手
2019年ドラフト指名選手
順位 | 氏名 | 経歴 | ポジション | 年齢 | 身長 | 体重 | 投打 |
ドラ1 | 宮川 哲 | 東海大山形高-上武大-東芝 | 投手 | 24 | 177 | 83 | 右右 |
ドラ2 | 浜屋 将太 | 樟南高-三菱日立パワーシステムズ | 投手 | 20 | 175 | 77 | 左左 |
ドラ3 | 松岡 洸希 | 桶川西高-BCリーグ・武蔵 | 投手 | 19 | 180 | 81 | 右右 |
ドラ4 | 川野 涼多 | 九州学院高 | 内野手 | 18 | 178 | 78 | 右両 |
ドラ5 | 柘植 世那 | 高崎健康福祉大高崎高-ホンダ鈴鹿 | 捕手 | 22 | 174 | 83 | 右右 |
ドラ6 | 井上 広輝 | 日大三高 | 投手 | 18 | 181 | 82 | 右右 |
ドラ7 | 上間 永遠 | 柳ケ浦高-四国IL・徳島 | 投手 | 18 | 180 | 79 | 右右 |
ドラ8 | 岸 潤一郎 | 明徳義塾高-拓大中退-四国IL・徳島 | 外野手 | 23 | 175 | 78 | 右右 |
育成1 | 出井 敏博 | 埼玉栄高ー神奈川大 | 投手 | 22 | 185 | 70 | 右右 |
ロッテの佐々木朗を抽選で外した1巡目指名は、はずれ1位でも巨人と競合となった宮川哲投手を獲得。
社会人No.1の呼び声も高い即戦力ルーキーを獲得できました。
映像を見ましたが、威力のある速球が魅力的です。
先発で使いたいとかと思いますが、救援としても活躍が期待できそうです。
その他の個人的注目は8巡目指名の岸潤一郎選手です。
甲子園のスターですよね!
明徳義塾で計4回甲子園に出場し投打に活躍していたのを記憶しています。
拓大進学後、右ひじの手術もあり中退。
その後、四国アイランドリーグ徳島に入団し、野手として頭角を現します。
持ち前の俊足を活かし、2年連続で35盗塁以上を記録しております。
是非、プロの舞台でも活躍する姿を見たい選手ですね。
2020年新外国人、移籍選手
氏名 | 前所属チーム | ポジション | 年齢 | 身長 | 体重 | 投打 |
ギャレット | レンジャーズ3A | 投手 | 27 | 188 | 95 | 右右 |
ノリン | マリナーズ3A | 投手 | 31 | 193 | 113 | 左左 |
スパンジェンバーグ | ブルワーズ | 外野手 | 29 | 183 | 89 | 右左 |
松坂 大輔 | 中日 | 投手 | 40 | 182 | 92 | 右右 |
森越 祐人 | 阪神 | 内野手 | 31 | 178 | 70 | 右右 |
この中で現時点で活躍が期待できそうなのは、スパンジェンバーグでしょうか。
すぱんじぇんばーぐ。。
ちょっと言いにくいですが(笑)
オープン戦では1割台と低迷していたものの、再開後の練習試合では6月7日時点で3戦4発と大当たり。
新型コロナの影響による中断期間に良い調整ができたのかもしれません。
毎年開幕当初は日本の野球に慣れず苦しむ外国人選手も多くみられますが、今年に関しては逆に調整期間が伸びたことでプラスに作用する選手が多いかもしれませんね!
マイナーリーグでも盗塁数が多かったようですので、走攻守の活躍が期待できるかもしれません。
あとは個人的には14年ぶりに西武へ戻ってきた松坂選手の復活に期待したいと思います。
現実的には全盛期とは及ばないと思いますが、今年で40歳となる松坂もベテランらしい経験を生かした投球を見せてほしいですね。
やはり同じ松坂世代としては、応援せずにはいられません!
夏の甲子園決勝を現地観戦したのですが、あの伝説のノーヒットノーランは忘れらません。
まさに平成の怪物。
今年は西武で復活する姿が見たいです。
がんばれ松坂!!
退団選手
氏名 | ポジション | 年齢 | 動向 |
秋山翔吾 | 外野手 | 31 | MLB |
小石博孝 | 投手 | 32 | 引退 |
高木勇人 | 投手 | 30 | メキシカンリーグ |
大石達也 | 投手 | 30 | 引退 |
松本直晃 | 投手 | 28 | 琉球 |
郭俊麟 | 投手 | 27 | 戦力外 |
南川忠亮 | 投手 | 27 | 引退 |
廖任磊 | 投手 | 26 | 戦力外 |
星孝典 | 捕手 | 37 | 戦力外 |
中田祥多 | 捕手 | 29 | 引退 |
金子一輝 | 内野手 | 24 | 引退 |
斉藤彰吾 | 外野手 | 30 | 引退 |
マーティン | 投手 | 28 | 自由契約 |
ヒース | 投手 | 34 | BC富山 |
カスティーヨ | 投手 | 30 | 自由契約 |
最も大きいのは秋山選手のメジャー移籍でしょう。
長年、西武の攻守の要として大活躍した秋山。
もちろんメジャーでの活躍を応援したいですが、西武としては頭の痛いところです。
ただ、野手の育成には定評がある西武ですから、また若手から良い選手が出てくるかもしれません。
これまで秋山の壁に阻まれてレギュラーといかなかった選手にとっては大切な一年になりそうですね!
注目のレギュラー争い
内野に関しては昨年のレギュラーを割って入るには厳しい部分もあるかもしれません。
DHも基本的にはベテラン栗山、メヒアが中心でしょうか。
そうなるとやはり秋山が抜けた外野陣ですね。
センターはおそらく金子侑が埋めるのでないでしょうか。
そうなるとライト、レフトです。
現状では昨年も多く出場した木村選手、新外国人のスパンジェンバーグが有力でしょうか。
ただ、若手の台頭も十分期待できます。
愛斗、鈴木、戸川に加え、投手から外野へ転向した川越など、これらの選手たちがどう割って入るのかを注目したいと思います。
まとめ
以上、昨年パリーグ優勝の西武について振り返ってきました。
昨シーズンほぼタイトルを総なめした打撃陣に関しては、2020年も期待ができそうです。
問題はやはり投手陣、特に先発です。
若手の底上げ、新戦力の活躍などが必要ですが、これらがうまくかみ合えば3連覇が見えてくるのではないでしょうか。
攻撃に特化した西武は、見る側にとって非常に魅力的なチームです。
しかし、最強の矛と最弱の盾。。
今年こそ盾を磨いて、最強チームを目指してほしいですね!
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