もうプロ野球は開幕したけど、それでも2019年成績をプレーバック~ヤクルト編~

プロ野球

開幕からもうすぐ1か月が経とうとしていますが、引き続き2019年のプレーバック第11弾を行いたいと思います。

今回はセリーグ最下位の東京ヤクルトです!

では、参りましょう!!

※他チームの2019年成績はこちら(巨人西武横浜ソフトバンク阪神楽天広島ロッテ中日日ハムオリックス

チーム成績

リーグ6位  交流戦11位

試合勝利敗北引分勝率
143598220.418

5月上旬までは上位争いをしておりましたが、その後失速してしまい首位巨人とは18ゲーム差となる最下位に沈みました。

得点失点打率本塁打盗塁防御率
5967390.244167 62 4.78
3位6位6位2位5位6位

ヤクルトは打高投低が顕著なチームです。

ただ、昨年のチーム成績はホームラン数、得点は上位だったものの、打率は6位と低調でした。

長打力で得点を重ねるものの連打で効率よく得点とはいかなかったのではないでしょうか。

投手力を見ると、防御率4.78は12球団でも最も悪い成績でした。

失点数も2016年~2019年まで4年連続リーグワーストとなってしまっております。

これだけ失点が多いのも、やはりホームランが出やすい球場の特性もあるのでしょうか。

被本塁打は168本リーグワーストとなっており、次点の巨人は150本となっています。

ただ、球場別のホームランの出る確率を見てみると、実は東京ドームの方が高くなっています(参考:あおなろぐ)。

巨人の防御率が3.77と大きく差があることから、単純に球場の広さだけで防御率が低くなったとは言えないでしょう。

また、失点を多くしてしまっている要因としてはエラー数も関係しているでしょう。

エラー数は97個とリーグでは下から2番目の悪い成績であり、最も少ない中日(45個)から比べると倍以上あります。

投手陣の奮起と守備陣が安定することで、防御率や失点数は大きく下げられるのではないでしょうか。

このように、例年の様に打力は良いものの投手力が課題と言われているヤクルトですが、選手個々の成績がどうだったかを振り返ってみましょう。

主力野手の成績

2019年開幕オーダー

シーズンを占う大事な開幕スタメンはどうだったか見てみましょう。

打順位置名前年齢年数試合打率HR 打点盗塁OPS
1坂口3517220.125 0200.404 
2青木37101340.297 165810.826 
3山田哲2791420.271 3598330.961
4バレンティン▲3591200.280 339300.917 
5雄平35171310.273 125640.723 
6村上2191430.231 369650.814 
7廣岡422910.203 102510.710 
8中村11291260.269 53610.757 
9小川729
赤字はリーグ1位、青字はチーム1位(打率、OPSは規定打席達成者)
OPS=出塁率+長打率
※▲は2019年退団

まずはチームの顔でもある山田哲選手

打率こそ3割には届かなかったですが、リーグ上位の成績は以下の通り

・HR4位
・打点2位
・四球(110個)1位
・出塁率(0.401)3位
・盗塁2位
・OPS3位

素晴らしいの一言です。

2年連続5度目のベストナインも受賞しております。

これだけの記録を残しながら、今年で28歳を迎える若さであり、まだまだ成長すら感じさせます。

トリプルスリーをすでに3回も達成している山田哲選手ですが、日本人初の40-40(本塁打40本、盗塁40個)という大偉業すら期待させる選手です。

本人は記録のためにやっている訳ではないと思いますが、野球ファンとしては是非みてみたいですね!

そして、2019年最もインパクトを残した野手と言えば村上選手でしょう!

高卒2年目ながら本塁打が3位、打点4位という素晴らしい成績を残し、見事新人王に輝きました。

いくらHRが出やすい神宮がとはいえ、飛距離十分の豪快な打球が多く、今後もホームラン王争いに顔を連ねることとなりそうです。

特にレフト方向への打球が伸びるのも素晴らしいですね。

一方で三振数が断トツワーストとなる184個となってしまいました。

これは今後に技術が経験がついてくると減るとは思いますが、今季はもう少し確実性があがることを期待したいですね。

しかしまぁ、末恐ろしい。。

2020年はバレンティンが抜けた4番として村上選手がチームの中心を担っています。

高校時代は同期の清宮選手に注目が集まっていましたが、現時点では村上選手が大きくリードしていますね。

ロッテの安田選手と共に、同期の同じ左の長距離砲として球界を盛り上げてほしいですね。

その他の主な野手成績

その他の出場試合数が多かった選手を挙げてみます。

位置名前年齢年数試合打率HR 打点盗塁OPS
内外荒木3210930.250 22210.675 
太田225900.251 32700.637 
山崎264800.274 0840.652 
奥村246740.199 11200.558 
大引▲3513700.202 11310.564 

控え野手の中には、レギュラーをつかみ取るまでの成績を残した選手はおりませんでした。

ただ、2019年オフにバレンティン選手が抜けた外野を誰が埋めるのかに注目です。

山崎選手、塩見選手といった俊足で守備範囲が広い選手がレギュラー取りに向けて意欲を燃やしているのではないでしょうか。

主力投手の成績

先発

名前年齢年数試合(先発)投球回勝利敗北防御率奪三振率K/BBWHIP
小川29726(24)159 2/35124.57 7.44 3.67 1.31 
石川391823(23)124 1/3863.84 6.37 3.38 1.15 
高橋22420(19)95 1/3465.76 9.35 1.87 1.59 
ブキャナン▲30318(18)99 2/3464.79 5.24 1.76 1.52 
高梨28621(14)78    576.23 9.46 2.41 1.59 
山田大311314(11)62 1/3543.90 6.50 2.81 1.38 
26412(11)74    374.86 6.93 3.00 1.41 
赤字はリーグ1位、青字はチーム1位(防御率は規定投球回数達成者)
K/BB=奪三振/与四球  投手の制球力を示す指標の一つ。2.0超でまずまず、3.5超でかなり優秀とされる
WHIP=(与四球+被安打)/投球回 1イニングあたりに出したランナーの数値。

先発陣では軸となる投手がおらず、厳しい1年となってしまいました。

小川選手リーグワーストとなってしまう12敗を喫してしまい、悔しい1年となってしまいました。

新人王を獲得したルーキー時の活躍を忘れていない野球ファンも多いはずです。

和製ライアンの復活に期待したいですね。

救援

名前年齢年数試合投球回勝利敗北ホールドHPセーブ防御率奪三振率K/BBWHIP
梅野2036867 2/328 30 3.72 10.24 3.08 1.18 
ハフ▲3526865 2/326 27 3.97 7.95 2.76 1.20 
マクガフ3016568 2/318 24 11 3.15 8.39 2.91 1.35 
近藤36185953    19 22 3.57 9.17 1.69 1.68 
五十嵐40194542 1/32.98 7.02 1.38 1.39 
石山3173433    10 2.73 8.45 3.88 1.15 

リリーフ陣では梅野選手、ハフ選手68試合と共にリーグ3位の登板数でした。

ハフ選手は昨年退団となりましたが、梅野選手は今季4年目でさらなる活躍が期待されているでしょう。

ヤクルト全体の防御率から考えると平均よりは下回っておりますが、もう少し防御率を下げたいところですね。

守護神は石山選手ですが、2019年はコンディション不良などもあり登録抹消を繰り返していました

代役としてマクガフ選手がストッパーとなりました。

ただ、成績だけみても守護神としてはもの足らず、安定感があるとはいえませんでした。

やはりヤクルト投手陣の中では石山選手が適任かと思います。

今季は改めて守護神を任されていますので、1年間コンディションを整えて活躍できるかどうかですね。

2020年度新加入選手と2019年の退団選手

新加入選手

ドラフト指名選手

順位氏名経歴ポジション年齢身長体重投打
ドラ1奥川 恭伸星稜高投手1818482右右
ドラ2吉田 大喜大冠高-日体大投手2217580右右
ドラ3杉山 晃基盛岡大付高-創価大投手2218284右左
ドラ4大西 広樹大商大高-大商大投手2217583右右
ドラ5長岡 秀樹八千代松陰高内野手1817574右左
ドラ6武岡 龍世八戸学院光星高内野手1817877右左

注目はドラフト会議で3球団競合の末獲得した、星稜高出身の奥川投手でしょう。

奥川選手は2019年のドラフトではロッテ佐々木朗選手と共に最注目の選手でした。

石川県の名門星稜高校で2018年~2019年の4季連続甲子園出場通算7勝100奪三振の成績を残した甲子園のスターです。

2年連続でU18高校日本代表に選出されており、総合的な完成度は佐々木朗以上ともいわれております。

自主トレ時に右ひじの炎症が見つかり調整遅れもありましたが、シーズンが始まり2軍戦では自己最速となる154㎞もマークしています。

慌てないでは欲しいですが、順調にいくようであれば今季から1軍で見てみたいですね!

新外国人、FAなどの新加入選手

氏名前所属チームポジション年齢身長体重投打
クック3A リノ投手3019097右左
イノーアオリオールズ投手2718893右右
エスコバー3A シャーロット内野手3418588右右
楽天捕手3617984右右
今野楽天投手2517887右右
長谷川ソフトバンク投手2217580左左
※年齢は2020年の満年齢

エスコバー選手メジャー通算1,367安打、ゴールドグラブ賞も一度受賞とかなり実績のある選手。

7月12日時点では、ショートのレギュラーとして出場を重ねており、強肩で魅せるプレーもすでに出していますね。

メジャー級の守備に注目です!

また、楽天から嶋選手も獲得しました。

正捕手は中村選手ですが、経験豊富な嶋選手が加入したことでプラスになる部分も多いのではないでしょうか。

また、ソフトバンクから長谷川選手も中継ぎとして試合出場を重ねています(7/11時点で8試合)。

まだ22歳と若いので移籍を機にチャンスを掴んでほしいですね。

退団選手

氏名ポジション年齢動向
バレンティン外野35ソフトバンク
ブキャナン投手30韓国リーグ
ハフ投手35MLB
館山投手38引退
寺原投手36引退
村中投手32琉球
岩橋投手28引退
沼田投手25琉球
山川捕手23BC富山
畠山内野手37引退
大引内野手35引退
三輪内野手35引退
屋宜投手30引退

長らくヤクルトの中軸として活躍したバレンティン選手がソフトバンクへと移籍しました。

在籍9年間で8回も30本塁打以上を打ち、2013年には日本記録を更新する60本塁打も放ちました。

ホームラン王3回、打点王1回、ベストナイン2回、MVP1回と素晴らしい実績です。

バレンティン選手の移籍により長打力の低下は仕方がないでしょう。

ただ、守備面では不安が大きく、エラーと記録されないプレーでも失点につながるミスが多かったのではないでしょうか。

今季は外野陣の守備力が強化されることで、失点数が減少するかもしれません。

バレンティン選手の移籍はプラスとマイナスの両面があることから、代役選手の活躍次第ではチームにとって好影響がありそうです!

また、ヤクルト一筋で在籍17年の館山選手、在籍19年の畠山選手が引退しました。

館山選手は右のエースとして先発の柱であり、2009年には最多勝も受賞するなど活躍しました。

しかしながら、度重なるケガで何度も手術を繰り返すなど、全身に多くの傷跡が残っています。

不屈の闘志で復帰を試みる姿には胸を打たれる方も多かったのではないでしょうか。

2015年には1019日ぶりの勝利投手、そして年間6勝を挙げる活躍で優勝にも貢献し、見事カムバック賞を受賞しております。

畠山選手は長打力が魅力の一塁手として主軸打者として活躍しました。

優勝した2015年には打点王、ベストナイン、ゴールデングラブ賞を受賞するなど、チームに大きく貢献しました。

ゴールデングラブ賞は2012年にも受賞しており、守備力にも定評がありました。

長らく中心選手として活躍したベテラン二人が引退するのは寂しい限りですが、館山選手は楽天の2軍投手コーチ、畠山選手はヤクルトの2軍打撃コーチに就任しており、後進の育成も頑張ってほしいですね。

注目のレギュラー争い

やはりバレンティンが抜けた外野の争いが注目でしょう。

青木選手、雄平選手が不動のレギュラーですので、残りは一枠となります。

2020年の開幕スタメンを勝ち取ったのは社会人から入団3年目となる塩見選手

昨年、2軍で打率0.310・盗塁23と活躍し、走攻守に長けた選手として一気にブレイクが期待されておりました。

しかしながら、7試合で打率0.105と結果を残すことができず、6月28日には2軍降格となってしまいました。

代わりに猛アピールを続けているのが山崎選手です。

昨年も80試合に出場しており、まずまずの成績を残していましたが、7月12日時点で打率0.333と非常に打撃も好調を維持しております。

足も速く守備範囲も広いことから、主にセンターを任されており、代わりに青木選手がレフトに回っています。

外野の守備力の面では昨年から大きく向上しているのではないでしょうか。

山崎選手がこのままレギュラーを勝ち取るのか注目していきたいですね。

まとめ

2019年のヤクルトの成績と今季の展望をまとめると以下のとおりです。

・2019年開幕当初は上位争いも、その後大きく失速し首位巨人と18ゲーム差となる最下位に沈む。

・チームHR数はリーグ上位も打率、失点、防御率はリーグ最下位と打高投低のチーム状況。失点数に関しては投手力だけではなく、エラー数が多かった守備力も影響していたと考えられる。

・野手では山田哲、村上が中心として活躍。山田哲はリーグ上位の成績が多く、村上は高卒2年目ながらHR数・打点数で上位争いを演じて新人王を獲得。

・2桁勝利を挙げる投手がおらず、先発の柱として小川の奮起が必要となる。

・リリーフ陣では3年目梅野、ハフがチームを支えた。ストッパーとして石山選手が一年通して活躍できるかが2020年のカギとなる。

・ドラフトでは3球団競合の末1位の奥川を獲得。また、新外国人ではMLBの実績が豊富なエスコバーの活躍が期待される。また、楽天での経験豊富な嶋が捕手として投手陣を支えられるか注目。

・バレンティンがソフトバンクに移籍したことで、長打力は落ちるものの守備力は強化される可能性あり。代役として山崎選手が2020年開幕から猛アピールを続けている。

ちなみに、6月12日時点で首位に浮上しております。

まだシーズンは始まったばかりですが、昨年からの巻き返しを狙ってチーム一丸となっております。

課題となる投手陣がどれだけ頑張れるかですが、若手も少しずつ出てきておりますので期待して見ていきたいですね!

それではこの辺で。

さぁあと1球団!

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