前回に引き続き、野球界における新型コロナの影響をまとめていきたいと思います。
前回は主に5月6日時点でのプロ野球の現状を前回まとめましたが、高校野球はどうなっているでしょうか?
これまでの状況と今後の見通しをみていきましょう。
高校野球のこれまでの経過
センバツはどうなった?
3月19日から開催される予定だった第92回選抜高校野球大会でしたが、3月4時点では無観客での開催を検討しておりました。
なんとか開催できる方向にならないかと様々な検討はされたかと思いますが、感染拡大の勢いが収まらず、3月11日に中止することが正式決定しました。
念願の出場を決めた選手、保護者の方、関係者の方、そして多くの野球ファンにとって非常に残念な結果となってしまいました。
選手のことを考え、様々な救援策(1試合だけでも試合を行う、入場行進だけでもなど)も出ていたようですが、現実的には今後も含めて甲子園を使用することは困難なことから、具体的には何も決定しておりません。
センバツに出場したからといって、夏も簡単に出場できるほど甘くはないのが高校野球です。
自分が選手だったらと思うと。。
何とか出場予定だった高校の選手に対して、甲子園の土を踏ませてあげられるような救援策が見つかってほしいですね。
春季大会はどうなった?
各都道府県における春季地方大会および春季都道府県大会はほぼ中止となりました。
「ほぼ」ということは1県だけ開催された県があります。
それは沖縄県でした。
3月25日に開幕し無観客で試合を実施しておりました。
様々な感染症対策を行いながら、大会を進めていき4月5日まで何とか準々決勝までは消化できたようですが、準決勝、決勝は中止となってしまいました。
なお、4強進出は中部商、沖縄工、宮古、ウェルネスの4校でした。
春季大会は全国大会に直接つながる大会ではありませんが、冬場を超えて成長した部分を確認する場であったり、新チーム時点ではレギュラーになれなかった選手にとてもアピールの場となり、チームにとっても新戦力を発掘できる機会にもなります。
また、夏の甲子園予選のシード権を決める大会ともなりますので、夏の予選の試合数が減るメリットもあるので非常に重要な大会となります。
ちなみに、これまで唯一シード制を導入していなかった大阪府も今夏から導入することが今年の2月22日に発表されたようです(つい最近まで知らんかった。。)。
しかしながら、春季大会が中止になったことで、今夏は例年通りノーシード制で行われるようになったみたいですね。
今回春季大会が開催された沖縄県以外では、夏のシード権は秋季大会の結果がシード権を決める判断材料となるのでしょう。
夏の甲子園はどうなる?
夏の大会の開催も危ぶまれている
当然ながら、現状では夏の甲子園大会の開催も中止となる可能性があります。
各地方大会は6月末から7月上旬にかけて開幕しますが、もっとも早い開幕である沖縄県も6月20日予定から7月に順延が決まりました。
山口県では5月6日に夏の県大会を無観客で開催することに、神奈川県大会は抽選が中止となり、主催者が代理抽選をすることになった様です。
また、学校単位では弓削商船高専(愛媛県上島町)が出場辞退を4月20日に発表しました。
現時点では地方大会が行わるように調整をされていますが、まだ今後の状況によっては中止の可能性もありそうです。
大学野球、他のスポーツの大きな大会は?
甲子園が開催されるかどうかを検討するうえで参考になるのが、同時期に開催されるインターハイや全日本大学野球選手権になるでしょう。
8月10日に群馬県を中心とした北関東で開催される予定であったインターハイは4月26日に中止が決定しました。
中止理由は新型コロナの感染拡大を受けて選手や関係者の安全確保が難しいと判断したとあります。
「競技中だけでなく移動や宿泊時の感染リスクも大きい」
「学校の臨時休業により十分な練習時間の確保が難しく、 選手のけがや事故の発生も危惧される」
上記2点が特に懸念されたようです。
また、8月12日開催予定であった全日本大学野球選手権大会も5月12日に中止が決定しました。
1952年から始まった同大会の中止は史上初の様ですね。
中止理由は春季リーグが中止されるなど、代表校を決める各連盟の運営が難航したことが大きな要因の様です。
今後の感染状況次第では、8月であれば開催することが可能かもしれないが、それに合わせて代表校を選出するために無理にリーグ戦などを開催しなければならないことが懸念材料でした。
ただし、地域によっては6月下旬、7月以降などに各リーグ戦だけを行う可能性はあるようです。
インターハイ、大学野球選手権の中止決定は、夏の甲子園開催への影響は大いにあるのではないでしょうか。
甲子園の開催決定はいつ?開催可能なのか?
様々な議論がされているようですが、5月20日第2回運営委員会が開かれて、開催の方向性を打ち出すのではないかといわれています。
最終的には6月上旬あたりで決定するのではないでしょうか。
かなりギリギリですね。。
インターハイや大学野球選手権での中止理由として大きなものは以下の3つ
①移動や宿泊での感染リスク
②練習時間が確保できていない為、ケガや事故のリスク
③大会を行うために予選を無理に開かなければいけない
特に②のケガのリスクなどに関してもよく考えなければいけないと思います。
ほとんどの高校で十分な練習、試合が行われていないのが現状でしょう。
夏の過酷な条件の中で連戦を行うだけの体力をつけなければいけない時期に、このような状況では仮に開催ができる状況になったとしても様々な面が心配ではあります。
また、開催する場合も感染症対策を行いながらとなるはずです。
特にベンチ内で選手や監督がマスクを着用しなくてはいけないとなると、熱中症の危険性がかなり高くなりそうです。
あの暑さの中でマスクを着用することを考えるとゾッとします。。
その他の懸念材料としては、「高校野球だけは特別なのか」という周囲の妬みに近いような感情です。
「プロスポーツでもない部活動でそこまでするのはおかしい」、「他の部活動がやっていないのだから同じように中止にするべきだ」という意見でしょう。
そういった意見もわかりますが、できる環境が整えるられるなら是非チャンスを与えてあげたいというのが個人的な考えです。
ただ、これだけの条件があるとなると、やはり中止の可能性のほうが高いのではないでしょうか。
一方で仮に夏の甲子園が中止となったとしても、条件によっては大学野球と同じように地方大会のみで開催するという可能性もありそうです。
春夏制から秋春制への変更!?
少し目線を変えると、甲子園大会の開催時期を変更するという案も出ているようです。
元秀岳館高校監督で4季連続甲子園へ導き、その後2018年から母校である県岐阜商の監督となった鍛治舎監督の提言です(記事はコチラ)。
ここでは「9月入学」が現実化した場合の高校野球のあり方として、甲子園大会の春夏制から秋春制への変更です。
記事をまとめると
①秋開催は9,10月に都道府県大会、11月に甲子園大会
②春開催は3~4月が都道府県大会で、5月に甲子園
①②をもう少し具体的にまとめると
・秋開催はプロ野球シーズンから外れており、日本シリーズの日程を調整すれば甲子園が使用可能
・試合は週末や祝日を中心に実施し、基本的に ベスト8までは1泊または日帰りに
・11月28、29日に準決勝、決勝を想定
・上記条件で開催することで、真夏の炎天下での試合を回避、1週間に500球以内という球数制限もクリア
・春開催は8月に甲子園を使用していた分をGWに置き換えるとプロ野球にも配慮できる
・秋春制にすることでこれまで甲子園に出るチャンスは3年間で5回だったのが、6回出場できる可能性がある
また、9月入学とならなかった場合でも、今年の秋に甲子園を開催することが可能であれば、3年生の救済案にもなるのではないかという提言でした。
秋春制に変えるには、様々な調整をする必要があり、簡単ではないと思いますが、検討している価値はあるのではないでしょうか?
まとめ
前回、今回と野球界における新型コロナの影響をプロ野球、高校野球を中心に述べてきました。
これまで経験したことのないような感染症の影響を受けて、野球界にとっても危機的な状況が続いています。
高校野球は春、夏とも中止の可能性が高い状況です。
しかし、少しずつ光も見えてきています。
台湾や韓国はプロ野球が開幕しております。
MLBも7月上旬の開幕に向けて動き出しました。
日本のプロ野球も調整段階に入ってきており、最短で6月19日開幕の案が出てきました。
依然として新型コロナが完全に収束される時期が見てきませんが、今できることは何かを各自が考え行動することで、早く野球が見れるのではないでしょうか。
これを乗り越えれば、今まで以上に野球を楽しみたいと思います。
ではまた!
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